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気密性能の重要性について

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家づくりをご検討されている皆様は一度は「気密性能」や「高気密」といった言葉を見聞きされているのではないでしょうか?

なぜなら流行り言葉のように色々な住宅会社が「高気密住宅」や「高気密・高断熱住宅」を謳い出していますし、家づくりについてインターネットで調べる際には高確率で目にされているかと思います。

そんな中、「高気密住宅」と謳っている建物でも、実は全然気密性能が高くない建物が残念なことに世の中には沢山あります。

なぜそんな住宅が出回ってしまうのでしょうか?

・・・それは、国の定める住宅の性能基準「次世代省エネルギー基準」に気密性能が含まれていないが故に、高気密だと謳って良い、悪い、の明確なルールなどが無い為です。

⇒要は言ったもの勝ちになってしまっているのです。

だからと言って住宅にとって気密性能が重要なことには変わりありませんし、蔑ろにしてよいものではありません。

 

そもそもなぜ重要にもかかわらず、省エネ基準に気密性能が含まれていないのか?が疑問だと思いますが、これには理由があります。

※画像:東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授 前 真之 (著)
「エコハウスのウソ」より抜粋

 

実は2009年までは基準規定の中に「気密性能」が含まれていましたが、抜粋画像にあるように「工事においての手間である」や、そもそも気密性能を高めることができない住宅会社による反対が多く「削除」されてしまいました。

これは住宅取得者様のための規定削除ではなく、売り手側の「臭いものに蓋をする」行為に他なりません。

蓋をしたにもかかわらず、大事であることを否定が出来ないがために「高気密」という言葉を使うだけ使い、具体的な気密性能の説明をしない会社が多く存在しているのが現状です。

皆様には折角のお家づくりをより良いものにしていただきたいので「気密性能が高いことのメリット」を知っていただいたうえで、なんちゃって高気密ではない「高気密住宅の見分け方」をお伝えできればと思います。

 

気密性能が高いことのメリット

断熱性能を最大限生かす・冷暖房の効率化・光熱費削減

気密性とは「住宅に隙間がどれだけ少ないか」を指しています。住宅に隙間が多く存在すると断熱材や性能の高い窓等の効果が減少してしまいます。

⇒断熱材や性能の高い窓の役割は、住宅を外気から守ることです。しかし、住宅に隙間が多く存在すると折角良い断熱材などを採用したにもかかわらず隙間から断熱材をすり抜けて室内に外気が入ってきてしまいます。

例えば、冬場のダウンジャケットを想像してみてください。ダウンジャケットは皆さんご存じの通り高い性能の防寒着ですが、ファスナーを閉めずに着た場合はどうでしょうか?腕や背中などは暖かいですが、ファスナーが空いている体の前側は寒くなってしまいます。気密性能を高めるとは、このファスナーを閉める行為と同義なのです。

また、クーラーボックスを想像してみてください。夏場の暑い外気から中に入れた飲み物や食べ物を守ってくれるアイテムですが、蓋がしっかり閉まっていなかったらどうでしょうか?クーラーボックスの性能が100%発揮しないのは想像に難くないと思います。蓋をしっかり閉める行為が気密性能を高めることと同義なのです。

気密性能を高めることが住宅を守る断熱材、窓、玄関ドアの性能を100%引き出すことに繋がります。

また、気密性能を高める=建物に隙間が少なければ冷暖房設備で作った涼しい空気、温かい空気が室外へ漏れづらくなるため、短時間で室内を快適な温度へ調整することができます。

室外に漏れない=保温に繋がりますので冷暖房の効率が良くなります。効率が良くなれば冷暖房設備の運転時間が短くなりますので、光熱費の削減に大きく直結します。

 

結露の防止・断熱材劣化の防止

気密性能が高いと結露の防止及び断熱材の劣化防止になります。※窓の性能や断熱材の性能による結露の話は別のブログ記事で書きたいと思います

結露は、冬場の冷たい外気と室内の暖房で温めた空気が触れ合うことで、暖かい空気に含まれていた水蒸気が飽和水蒸気量によって水滴化することで起きる現象です。

気密性能が低いと建物の隙間から外気が侵入してしまうため、室内の空気と触れ合い結露が起こってしまいます。また、建物の隙間から入る外気は壁の中で暖かい空気と触れてしまう可能性があります⇒壁の中で結露が起こった場合、断熱材が水を吸ってしまい(断熱材の種類にもよりますが)柱や壁を腐らせて住宅の寿命を縮めてしまいます。

結露による木材の腐食
※結露による木材腐食の写真です。

そのため、住宅の事を考えると高気密であることがやはり大切になってきます。

 

換気システムの効率化

現在新築住宅には24時間換気といった換気システムの設置が建築基準法で定められています。換気システムは24時間常時可動し、2時間で室内の空気がキレイな空気へと入れ替わるように、室外から室内へと空気を取り込む「給気口」と汚れた空気を外へ吐き出す「排気口」を設置します。

設置位置はコンピュータにて計算しますが、実はこの換気の計算に「気密性能」は考慮されていません。そのため気密性能が高くないと想定外の隙間からの外気進入で、計算された換気ルートが狂ってしまいます。

例えば、排気口の周りに隙間が多く空いている場合、排気しても隙間から外気が入ってきてしまうので、排気口周辺でしか空気の循環が行われないといった現象があります。※ショートサーキット現象

気密性能が高ければ常にキレイな空気が室内を循環する為、カビやダニの発生防止につながりますし、逆を言えば気密性能が高くないと換気システムの意味がなくなってしまうという事です。

 

 

高気密住宅の見分け方

気密性能を判断する値=「C値」の確認

車の燃費の良し悪しを数値で表すように気密性能も数値で表すことができ、気密性能を数値化したものを「C値(しーち)」と言います。

「C値」とは隙間相当面積を指し、要は住宅にどれくらいの隙間があるのかを数値化したものです。
※C値の値が0に近ければ近いほど、対象の住宅の隙間が少ない=性能が良いという事になります

C値の単位は(㎠/㎡:ヘイホウセンチメートル・パー・ヘイホウメートル)になり、この値から隙間の大きさを計算することができます。

2009年に撤廃されたC値基準=5.0㎠/㎡を例として⇒C値=5.0(㎠/㎡)の建物の場合、床面積1㎡の中に5.0㎠の隙間があるという事になります。この建物を仮に30坪(100㎡)とすると、建物全体で500㎠の隙間がある=約22.5センチ角の隙間が空いていることになります。
※C値5.0=約22.5センチ角=約ハガキ4枚分くらいの隙間になります

正直なところ、5.0だと高気密とは言えません。なぜなら海外のC値基準を見ると日本の2009年基準は全然と言って良いほど低いのです。

カナダで1982年に生まれたR-2000住宅基準では、C値1.0以下。有名なドイツのパッシブハウス基準では、C値0.2以下になります。
※1.0=約10センチ角=ハガキ1枚分以下 0.5=約7センチ角=ハガキ半分以下

上記基準を参考にしますと1.0以下で高気密住宅だと言えます。

ただし、気密性能は劣化します。地震や、木材の伸縮により気密性能は年々下がりますので、新築時に出来るだけ0に近い性能値で建築されることをおすすめいたします。

 

全棟気密測定の行っているかどうか

気密性能「C値」は現場で一棟一棟測定をしなければ正確な数値は分かりません。

「カタログ上のC値」や「モデルハウスでのC値」を耳にしたことがありますが、これは全くあてにはなりません。なぜなら、住宅を建てる職人は一棟一棟違いますし、建物の形も、使う材料も違うからです。

正確な数値を測り、安心を得るためにも「気密測定」を行うことが必要です。

気密測定 現場写真
~気密測定の方法~

気密測定は、強力なファンを(写真:グレーの筒)使って室内の空気を室外に出し、室内の気圧を室外よりも低くします。
空気は気圧の高いところから低いところへ流れる性質をもつため、室外から室内へと空気が動きます。
空気が室内に入り、室外と室内との気圧が同じになる時間等から(C値)を導き出します。


計測結果がこちらの写真のように印刷されて出てきます。※こちらの物件ではC値=0.14でした。

※弊社ではお引渡しの際に「性能報告書」といった形でC値の証明をお出ししておりますので、ご安心ください。

実際の測定結果を元に、C値基準と比べ、高気密かどうかをご判断ください。

 

「気密性能」を高めるには

気密性能を高めるには、「大工の腕」「気密性能を意識して施工」「隙間の出来づらい工法」が大事になってきます。

こちらについては次回のブログにてお伝えしたいと思います。

 

高気密の重要性について長くなってしまいましたが、高気密住宅をご検討する参考になりました幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

次回の記事もよろしくおねがいします。

この記事を書いた人

 川地

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